採用担当者に向いている人・必要な資質とは?

企業活動を行ううえで、いかに優秀な人材を採用するかは非常に重要なテーマです。そして人材確保のために採用活動を行うのが採用担当者です。
人材は育成方法次第なところはありますが、企業の発展・成長には不可欠な要素となっているため、採用担当者に求められる能力を考え、適任者を配置することは非常に重要です。

1.採用担当者の仕事内容

1-1 採用計画を立てる。

まずは採用計画を立てるところからはじまります。採用計画とは、どの部署に、いつ、何人、どんな人を、どんな手法で採用するかといった「採用の基本となる計画」のことです。
採用活動を進めるにあたっては、どんな人材を採用するのかという「人材要件」の設定が必須です。自社の人員状況や関係部署へのヒアリングなどをもとに、必要な人材要件を明確化していきます。
計画を立てる際は、昨今の経済環境の激しい変化や少子高齢化、労働者の価値観の変化などを踏まえて検討する必要もあります。新規採用だけではなく、人員整理やアウトソーシングなどの外部人材の活用も視野に入れ計画を立てる必要があります。

1-2 採用手法の検討

採用手法は、採用する人の属性や採用難易度によって変わっていきます。求人情報を掲載する媒体や利用するサービスなどを選定し、各媒体やサービス提供先との調整を行います。また、掲載する求人情報の記事作成や、各所に提出する求人票の作成を行います。

求人広告

インターネットや就職情報誌などの求人媒体にお金を支払い、自社の求人広告を掲載してもらいます。その求人広告に興味を持った応募者が連絡してくるのを待ち、選考活動を開始します。
求人広告は、大きくWeb媒体と紙媒体に分けられます。Web媒体も多様化が進んでおり、総合型求人サイトのみならず業界や職種などの特化型求人サイトも増えています。
求人広告のメリットは、広範囲の求職者に求人情報を届けられることです。その一方で掲載にはコストがかかりますし、一定期間しか掲載できないケースが大半です。また登録企業が膨大であるため、掲載できる情報量に限りがあり、結果としてコストや企業の知名度がなくては厳しいケースもあります。
WEB媒体は、全国の転職検討・希望者に幅広く求人の告知ができ、また検索方法も豊富なため、採用要件にマッチした人が応募に集まりやすいといったメリットがあります。デメリットとしては、求人によっては、かなりの数の応募があり、面接の日程調整等の応募者に対する対応の時間がかなりかかるようになります。
紙媒体は、特定の地域や読者に絞って求人情報をアピールすることがメリットになります。また、デメリットとしまして、掲載できる情報がスペースの関係で限定されたり、発刊後、修正できないといったデメリットがあります。

合同企業説明会

説明会に参加することで、求職者と直接会って話をできるのが最大のメリットです。自社PR、質疑応答、面接を同時に実施できるため、採用プロセスの効率化を図れるのもよいところです。一方で出展コストが高く、会場内の出展企業と比較され、強みや魅力がないと求職者が自社のブースにきくれないというデメリットになります。

ハローワーク求人

職業紹介などを無料で請け負う国の行政機関であり、求人募集情報の掲載に原則コストがかかりません。また、利用に際して要件を満たすと助成金や補助金の支給などの受けられる場合があります。
ハローワークの求人申込書には「仕事の内容」「必要な経験等」など、各欄に定められた文字数に制限があるため、自社やポジションの強みや魅力を求人票内で表現することが難しいため、求める経歴やスキルの人材にはなかなか出会いにくいデメリットもあります。

自社採用WEBサイト

自社のWebサイトに人材募集情報を掲載する方法になります。Webサイトのデザインや情報量には制約が少ないため、採用情報だけでなく、企業理念や事業内容などの情報も掲載して閲覧してもらえるのがメリットとなっています。自社に現在、興味を持っていない不特定多数には、自社のWEBサイトに見てもらえず、アプローチにならないことがデメリットになります。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらう手法を指します。
社員の友人、大学や過去に在籍した会社の先輩・後輩などのネットワークを活用します。社員が候補者の職務経歴やスキルだけでなく人柄や志向性を知ったうえで推薦するため、ミスマッチの可能性は低くなります。さらに採用費を抑えられるのもメリットです
デメリットとして、現在も現職で活躍している優秀な人材であるケースも多く、内定を出してから採用となるまで、一定の期間を要することも少なくありません。すぐに人材が必要となるタイミングなどで「急募」しても、その要件に見合う人材はなかなか見つからない可能性もあります。

1-3 書類選考・面接

事前に選考基準を定め、書類選考を実施します。書類選考を実施しない場合もあります。書類選考後には応募者と面接官双方のスケジュールを調整し、面接を行います。
応募者には面接の都度、合否の連絡を行います。一般的には不採用の場合と最終的な内定通知は書面で、それ以外はメールや電話などで連絡することもあります。事務的な手間を省くため、不採用通知をしないという会社がありますが、やはり礼を欠いた行為であり、すべての応募者に誠実に接する姿勢は、企業として必要なことになります。

1-4 内定者のフォロー

採用内定後は、入社に向けた事務手続きをはじめ、社内での受け入れ準備を進めます。実際に入社するまでに期間が空く場合がありますが、応募者の不安をなくして入社意欲を持続させるために、採用担当者は定期的に連絡を取ったり、面談を行うなどのフォローが必要になります。

2. 採用担当者に向いている人物

コミュニケーション能力の高い人

採用担当者は、経営層や自社社員、求職者、外部パートナーなど、さまざまな人と関わる必要があり、高いコミュニケーション能力が必要です。
応募者とのやり取りは面接だけでなく、会社説明などのプレゼンテーション、質問への回答、スケジュール調整や事務連絡、さらに内定後の入社に向けてさまざまなやり取りがあります。また、経営層や管理職への面接官依頼や日程調整、リクルーターをはじめとした若手社員への支援依頼なども必要ですが、これらをスムーズに進めるには、日頃からの情報共有とコミュニケーションが必要不可欠となっております。

調整することが得意な人

採用担当者は、応募者や面接官を担当する部署の責任者・役員などと面接の日程調整や応募者の年収設定、イベントの企画・実施などについて、調整や交渉を行う必要があります。
また、面接日の急な変更依頼にも対応しないといけないときもあります。

変化に対して、柔軟に対応できる人

人材確保の競争激化により、さまざまな採用手法がとられています。社員の知人を採用するリファラル採用やInstagram、TwitterといったSNSを活用したソーシャルリクルーティング、ヘッドスカウトといったダイレクトリクルーティングなど、実にさまざまです。
採用担当者としてこのような新しい手法について理解するだけでなく、自社に最適なものを取捨選択する必要性もあります。

周囲の人を巻き込むことができる

採用は人事だけでなく、会社全体で取り組む必要があります。
会社の魅力だけなく、仕事のやりがいや詳細も説明しなければなりません。
そのため、それらを最も理解している現場社員との連携は必要不可欠です。
部署の壁を超えて必要な時に協力を依頼できるような、周囲を巻き込んでいける力が必要になります。

3.採用担当者に向いてない人

・変化が苦手な人
・周囲を巻き込むのが苦手な人
・言葉の影響力を考えられない人
・人と関わりながら業務を行うことが苦手な人
・自分の意見を言えない人

4.まとめ

採用担当者の仕事は非常に多岐に渡り、さまざまな立場の人たちと適切なコミュニケーションを取り、調整を確実に進めていかなければなりません。
採用活動でもっとも大切なのは、人と人とのつながりです。その中で採用担当者の果たす役割は企業の発展・成長に大きく結びついています。
採用担当者は自身の役割を十分に認識し、さらにスキルアップに努めていくことが重要になります。

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